MONOLOGUE

 

このページでは,ぼくが今までに出会った人の言葉や予防歯科臨床で考えたこと,本を読んで得た知識などを独り言として書き残しています。

偉人や勤務医時代の上司,読んだ本,スウェーデンの先生方の言葉,自分の意見などごちゃまぜです.

 

予防歯科

・「予防に取り組まない歯科医は、自分の仕事のために火をつけて回っている消防士と同じ」ダン・エリクソン

・日本の歯科医師は「evidence」を意識するが、「evidence level」まで意識する歯科医師は少ない

・「予防医学」は将来を予測する「予測医学」である.だから難しい

・「MIのコンセプトは『最少の切削』も意味するが、『まったく削らない(予防)』のほうが重要」ダン・エリクソン

・歯ぎしりや食いしばりなどによる歯の損傷を予防するために、そのリスクがある人にはナイトガードも予防歯科的手段になる

・1日2回歯磨きで磨けているノンリスク面を磨くポリッシング・プロフィラキシスとは明確に区別されるべき」本当のPMTC

・PMTC(専門家による機械的歯面清掃)+SMTC(セルフケアによる機械的歯面清掃)の両立が大切

・EVAチップのEVAはアクセルソン先生の娘さんの名前

・「う窩」は修復するもの「う蝕」はコントロールするもの

・削って,詰めてを繰り返すことに何の意味があるのだろう.

・最も優れたう蝕治療はTBIである。なぜなら低コストであり、知識が増えればその家族をも救うことが可能だから

・「カリオグラムは小児にも有効。ただ数値を小児用に変更する必要がある」グンネル・ペーターソン

・子供が好んで飲む所謂「スポーツドリンク」は酸度が高く,糖が入っているから歯には最悪

・「予防歯科学」は大学にいなくても学ぶことが出来る.このことは「哲学」に似ている

・唾液分泌量低下とう蝕の増加に関する関係性について,高齢者は質の高いエビデンスが得られているが,若い世代は関係性のエビデンスがない

・なぜ「ヴィペホルムスタディ」を歯学部教育で教えないのだろう

・「医術は三つの要素から成る、疾病と患者と医師と。医師は医術のしもべなり。患者は医師とともに疾病と闘わなければならず」ヒポクラテス

・「パパはむし歯を治すお仕事なんでしょ?」「ううん、むし歯にならないようにするお仕事をしているんだよ」娘との会話

 

フッ化物応用

・フッ化物は粘膜にも保持され、徐々に口腔内に放出される

・いまだに妄信的にフッ化物は危険と言っている医師・歯科医師がいる

・う蝕予防は歯磨きの効果ではなく,フッ化物配合歯磨剤の効果であることはエビデンスレベルが高い

・「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決める」パラケルスス

・フッ化物はその有効性のほうが危険性よりも科学的根拠の質も量も上回る

・イオン導入法の研究は古いものが多く、エビデンスレベルが低い

・フッ化ジアミン銀(サホライド)は歯周病により露出した根面(象牙質)に用いられるべき

・フッ化物洗口(10ml)の有効性が高いのは1回あたり口に含むフッ素量が歯磨剤(1450ppmを0.5g)よりも6倍多いから

・フッ化物(歯磨剤でも洗口剤でも)は夜寝る前に+あまりゆすがない。就寝中は唾液分泌が抑制されフッ化物が薄まりづらいから

・洗口剤には中性のものと酸性のものがある.酸性のもののほうがエナメル質に取り込まれやすいエビデンスがある

・「スウェーデンでは12歳以上には900ppmの洗口剤を1日1~2回推奨している」ドーヴェン・ヴィルクヘッド

 

歯科医師

・基本的に恨まれる仕事,下に見られ蔑まれる仕事.日本では正当に評価されない

・日本の保険診療は診療報酬が低く,赤字になる治療もある.ボランティア精神で成り立ってしまっている

・同業他社を悪く言う歯科医が多い.本当に能力のある歯科医は,悪口で相手を下に見せ相対的に自分を上に見せることなどしない

・セミナー等に登場する歯科医師は自己愛が強く,自己顕示欲の強い人が多い

・セミナーは商業的なセミナーが多く得るものが少ない

・「難しい症例の埋入しました!」「年間2,000本の埋入症例!」え・・・天然歯残せてないってことだよね?

・歯科医師は設計士,歯科技工士は大工,役割が違う. 義歯の設計はしっかり歯科医師がしないといけない

・歯科医師会などの組織はおおむね年功序列の典型的ageismな組織であり,能力やスキルが評価されることはない

・歯科医師は経験や感覚を元に治療する「職人」であってはならず,最新の知識やevidenceを元に治療する「科学者」であり続けなければならない

・保険診療は全国一律の点数制なのに,まだ「安い」のがよい歯科医院だと思っている患者がいる

・「コロナはただの風邪なんだから緊急事態宣言はおかしい」「ワクチン反対」などという歯科医師がいる悲しさ

・「先生(医師,歯科医師)のお金の使い方は『粋』じゃないのよね」

・「歯科治療は結局,無力だ」

 

歯科衛生士

・大切なのは「歯科衛生士を続けること」ではなく、患者さんの「人生に寄り添い続ける」こと

・歯科医と歯科衛生士は上でも下でもない.業務内容が違うだけで対等である

・歯科衛生士学科の教員に卒後のことまで考えて教育している教育者は多くない

・予防歯科は予測医学である。長い臨床経験を有していない歯科衛生士に良質な予防歯科に必要な「予測すること」は難しい

・中長期的な治療計画を立てられない歯科衛生士に良質なメンテナンスはできない

・「3年間の専門教育を経て3年で辞めてしまうのはもったいないね」ダン・エリクソン

・専門職である新卒の歯科衛生士学生の多くが「ラクな職場」を探しているという由々しき事態

・新卒衛生士は卒後すぐに一人前に働けると勘違いしている.歯科臨床はそんな簡単な仕事ではない

・歯科医師よりも感染リスクが高い.逆に考えると歯科医師よりも患者とのコミュニケーションを取れる良い仕事

・投薬や外科的な治療をせずとも,お話を聞くだけで患者の心を癒すことが出来ればそのほうがよい

・考えることで仕事が楽しくなるのに、考えることから逃げたり、放棄してしまう若い歯科衛生士が多い

 

人間関係

・正義は絶対的なものではなく相対的なものである.正義を主張し振りかざす人は自己の主張を言っているだけ

・「人間は働くことでしか喜びが得られない」ヒルティ

・「人のこなし(けなし)ぐらいに,へこたれてどうするか」 渡辺玄宗老師

・人間はまずできない理由を探してしまう.出来るためにどうしたらよいか考えるべきだ

・「君子は義に喩り、小人は利に喩る」 論語 孔子

・「托鉢」与えることで救われ(功徳を積ませる),与えられることで生きること知る

・「色即是空」この世の全ては実体はなく縁起によって存在するという仏教の教義

・「苦しみは,深いレベルの「神秘」である 解決できる「問題」ではない」 マルセル

・「救け人自身が救けである」 キルケゴール

・「愛するとは,たがいに見つめあうことではなく,ともに同じ方向をみること」 星の王子様 サン・テグジュペリ

・「ルサンチマン」力ではかなわない強者を悪と決めつけて逆恨みする.精神的に優位に立とうとすること ニーチェ

・ルサンチマンが出てきたら,自分の価値を高め,自己肯定すればよい

・「力への意思」自分を蔑ろにされたと感じた者が一般的な論理を持ち出して相手に勝とうとする意志 ニーチェ

・「努力する人は希望を語り,怠ける人は不満を語る」 井上靖

・「感覚は間違えるから不確かである」 純粋理性批判 カント

・運動などで体をいじめ抜いている人で,うつ病患者は少ない

・スウェーデンの文化「fika」は休憩というよりコミュニケーションの手段

 

仕事

・社会人が仕事をするということはライオンが獲物を獲る,蜜蜂が蜜を取ることと同じ

・自分の責務,達成するべきことは何かを把握する.仕事の結果を出すことが社会人に必要なこと

・会社は仲良しクラブではない,仲良くすることが仕事の目標ではない

・「積小為大(小さい事が積み重なって大きな事になる。 大きな事を成し遂げよう思うなら小さい事をおろそかにしてはいけない)」二宮尊徳

・転職はいくらでも何回でもできる.しかし「転職をしない」という経験は一生に一度しか出来ない

・他と比べて評価する必要はない,自分のことは自分で評価すればよい