口腔内撮影用にGodox MF12 +X Proを買ってみた話 ~これであなたも上級者?~

投稿者: | 2022年2月26日
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 本Blog「ゼロから始める予防歯科学」で最も読まれている記事は「口腔内撮影用一眼レフカメラを買おう! ~ 選び方・買い方・設定ガイド ~」なんです.この記事は非常に力が抜けておりまして,注目されることに耐えられないようないいかげんな記事です.知り合いには「結局何を買えばいいんだ?」なんて言われる始末でした.

 今回も,力を抜いてぼくが選んだツインフラッシュGODOX MF12とコマンダーX Proについてご紹介していこうと思います.

 

1.フラッシュ 「MF12」

 今回購入したのはGODOXという中国のメーカーのフラッシュです.リングフラッシュはオリンパスやシグマ,Blogでご紹介したK&Fコンセプトを使っていたのですが,口腔内撮影にはできればツインフラッシュのほうがよいです.

 リングフラッシュは発光体が直線的に口腔内に向くのに対し,ツインフラッシュは左右離れた位置からお互いの影を打ち消すように発光します.そのため,リングフラッシュは平面的な光の届き方になってしまいますが,ツインフラッシュはより立体的な再現に向いています.

 簡単に言うとリングフラッシュで撮影するとエナメル質に光の反射が生まれて白トビしてしまいますが.ツインフラッシュで撮影すると離れた位置からの発光でそれが起こりにくいです.このメリットは特にシェードテイク撮影には有効だと思います.ただ,慣れればどうってことないツインフラッシュですが,何も考えずにパシャっと使いたいという使い方には向いていません.

 

 

 

2.トリガー 「X Pro」

 コントロール部のトリガーにはX Proを選んでみました.ホットシューが付いたX1,X2ってのもあるんですが,設定がしやすいことと口腔内写真撮影ではさらにホットシューの上にフラッシュをつけて撮影することがないのでX Proにしてあります.

 ちなみに私のX Proは正確には「X Pro N」でして,for Nikonとなっています.この辺はTTLの関係でボディのメーカーにあったものを選択する必要があります.より複雑化するカメラの機能に追いつくためにトリガーも進化していますが,ご自身のお持ちのボディで使用できるか必ず適合機種を確認しましょう.

 

 電源を入れるとこんな感じ.一番簡単なTTLモードですべてのフラッシュをCH1に設定しているという図です.口腔内撮影用には左右で光量やタイミングを変更する必要がないので構わないかなと.面白いのはこれ,リングフラッシュみたいにシンクロコードで繋ごうとせずに無線でそれぞれ単体の小さなフラッシュをシンクロさせちゃおうというものなんです.もちろん,無線で制御するというのは他社でもあるんですけれど,この機種は圧倒的に廉価ですからね.ふっと「ヒカル小町」を思い出しました.懐かしい・・・ヒカル小町は光をセンサーで感知してワイヤレスで同調発光するのですが,本機は無線の電波で制御します.

 リングフラッシュなんかはシンクロコードがあるからコントロール部1つで制御できていたんですが,XProの設定とMF12×2台の個別の設定が必要になります.シンクロコードは高電圧が流れるのですごく太く頑丈にできているんですが,それがないのはすっきりします.XProは単三乾電池2本で動きますが,発光部のMF12はUSBで充電します.フル充電で500回撮影できるようです.でも電池がなくなったら面倒くさいなぁとも感じます.

 

3.よい点・悪い点

ツインフラッシュではおすすめのセットなのですが,よい点・悪い点について.

〇 GOOD/よい点

 ・ツインフラッシュで撮影写真の質的向上
  やはりリングフラッシュよりツインフラッシュのほうが画作りが絶対によいです.

 ・シンクロコードがないのでスッキリ
  太いスパイラルのシンクロコードがないので,取り回しがすっきりします.

 ・やや軽くなる
  従来のリングフラッシュと比較してトリガーに入れる乾電池の量が単純に1/2本になりますし,充電池の採用により軽量化できています.リングフラッシュだとボディ側がどうしても重くなってしまうのですが,分散できているように思います.

 ・純正より安い
  ニコンR1C1は約95,000円,コマンダーがないR1が約65,000円です.今回,X Proを8,500円で,MF12キットを31,600円で購入したので,40,000円ほどで購入しています.リングフラッシュなみの価格です.

 

✕ BAD/よくない点

 ・修理対応は実質期待できない
  ヨドバシだと日本国内正規代理店のKPI扱いのX ProNの取り扱いがあるのですが,MF12はKPIの取り扱いがないので,買えないんです.でも,壊れてもAmazonでもどこでも単品で購入することが可能なので安く済みます.

 ・設定が複雑化する
  これはリングストロボとの比較なのですが,1か所の設定で済むのが3か所(親機+子機2つ)の設定が必要です.慣れればこの辺は問題ないと思いますが,最初はスイッチも3か所入れないといけないので少し面倒に感じるかも.

 ・場合によっては中国語と英語の取説しかない
  X Proには日本語の取説がついてきたのですが.MF12には英語と中国語の取説しかありませんでした(たぶんMF12を正規代理店のKPIが扱っていないため).英語か中国語が読めれば問題ありませんし,読まなくてもなんとか設定できました.

 ・X Proは乾電池,MF12は充電式で煩わしい
  今までのリングストロボは単3乾電池×4本だったのですが,X Proは単3乾電池2本です.子機のMF12はUSBで充電することになります.でも,軽量化+フル充電500回のためにはしょうがないのかも.と思ってみたり.

 

 

4.おまけ

 床に置いて撮影したんですけれど,木目の柄がなんか落ち着かないのでモノクロにしてあります(気が向いたら差し替えるかも).スパイラルシンクロコードがないのですっきり&フラッシュトリガーもすっきりです.カメラはNikonZ50です.

 実は今,歯科衛生士さんが使っているシグマのEM-140DGがAmazonでもヨドバシでももう売ってないことに気づいて,Amazonで他のメーカーのを探していた時に見つけたんです.この「リングストロボを探す」っていうのは結構難儀でして,すぐにディスコン(販売中止)になってしまうんですよね.で後継機種はありません・・・みたいな.もうニコンのR1C1キット買わなきゃいけないのかなぁと考えてみたりみなかったり.

 で,GODOXなんですが,GODOXって漢字で神牛って書くんですね.神々しい感じ.関係ないけど.GODOX自体はスタジオ用のモノブロックも作っているメーカーとは知ってはいたんです.でもおもちゃっぽいLEDのリングライト作っているイメージも強くて.んで,実際使っている人はどんな評価なのかとみてみたら写真家の諏訪光二さんが絶賛していたんです.もうこれは買ってみるしかないと.で,買っちゃいました.

 

 

 読み返していてフラッシュをすべて「ストロボ」と記載していることに気づいて修正しました・・・20年以上前からニコン派です.

 

5.おすすめ

 

MF12 ツインリングであなたの口腔内写真も上手になるかも!

 

X Pro-N [ニコンをお使いの方]

 

X Pro-C [キャノンをお使いの方]

 

X Pro-S [ソニーをお使いの方]

 

X Pro-O [オリンパス/パナソニックをお使いの方]

 

 

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