2021年上半期に買ってよかった本10選

投稿者: | 2021年6月5日
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 2021年上半期買ってよかった本を10冊(おまけで)+3冊ご紹介していこうと思います(順不同です)。自分の「読みたい」「知りたい」と思う気持ちを大切に、ジャンルを問わず読むようにしています。最近は時間に少し余裕が出来たので、ちょっと前はロシア革命あたりを勉強して、今は岡本太郎の『自分の中に毒を持て』を読んでいます。

 哲学関係の本は読んだことがあるものでも、原著を読めない自分は再度、訳者の違いで読むこともあります。学生時代に読んだ本でもやっぱり読みたくなって再度購入したら本棚にあった・・・というような失敗も何回もあります。今回はネタバレしないように心がけながら、普段本を読まない方でも興味を持って読んでもらえるような記事になるといいなと思います。

 

1.藤尾 秀昭(監修) 1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書 致知出版社

 

 1日1話形式になっていて、夜寝る前に読むようにしています。京セラの稲盛さんとか、ファーストリテイリングの柳井さんとか、巨人の王さんとか日本を代表する著名人の言葉が収録されています。殆どが藤尾さんとのインタビューや対談が収録されていますが一部、渋沢栄一や森信三のページは著作からの引用も入っています。1日1ページで短いので眠くてもすぐに読めてしまいます。仕事の教科書と書いてありますが、仕事だけに限らず、生き方・考え方について書かれているような印象です。読み応えあります。

 

 

2.ペ-ルアクセルソン 本当のPMTC―その意味と価値 オーラルケア

 

 以前にもご紹介したことがありますが、この本を読んでみてアクセルソン教授が提唱したPMTCが日本に正しく伝わっていないなと感じました。アクセルソン先生が強調している部分が全く伝わっていないのです。翻訳を担当された西先生にこの本には原著があるのか伺ったところ、アクセルソン先生自身の論文を元にした書き下ろしとのこと。PMTCに限らずプラークコントロール、メンテナンスの集大成が日本語で読めるという素晴らしい本です。歯科臨床に携わる人全員、必ず読むべきだと思います。

 

 

3.セネカ 生の短さについて 他2篇  岩波書店

 

 ぼくの考え方に影響を与えた1・2を争う本です。ざっくり言うと「人生は短い、やるべきことをやりなさい」という内容なのですが、人生に迷うとき、人生の岐路に立った時、変なハウツー本を読むよりもまず本書を読んでみてほしいです。そういう時にどう考えるべきか、どう行動すべきか自分の中に軸が出来ますよ。以前の「新社会人・若手社員にお勧めしたい本3選【哲学編】」にも取り上げています。そんなに難しくないですし、生の短さについて自体は短いので、ささっと読んでいただくことが出来ます。

 

 

4.セネカ 怒りについて 他二篇  岩波書店

 

 ただ単に怒りという行為を戒めるものではなく、怒りに対する対応策を羅列するものではなく、人間は怒りという普遍的な感情にどう向き合うかを示唆してくれます。セネカが生きた2,000年以上前の怒りと現代社会の怒りの実態があまり変わらないのが不思議です。端的にアンガーマネジメントをしたいとお考えの方は専門の本をお買い求めになるとよいと思います。

 

 

5.エピクテトス 語録・ 要録 中央公論新社

 

 古代ギリシアストア派の代表的な哲学者であるエピクテトス。勤務する会社の朝礼で本書の内容をよく紹介します。ストア派の考え方がすごくわかりやすく理解できます。現代人の悩みにもよくきく処方箋のような本です。最近、エピクテトスが注目されているようで、本書の内容が漫画で読める「奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業」も現代風で面白かったです。本書には、悩んでいる人に励みになるようなエッセンスがたくさんつまっています。

 

 

6.マイケルブース 限りなく完璧に近い人々 角川書店

 

 「英国一家、日本を食べる」でご存知の方もいると思います。読む人にとっては気分を害してしまうような本(でも典型的な批判本ではない)なのですが、イギリス人のマイケルブースはデンマークのコペンハーゲン在住だそうで北欧の国々を辛口に分析している本です。理想と思われる北欧諸国だけれど、それぞれ問題は抱えているんだということ。北欧と一括りにされてしまいがちだけれど、国によって全然違うんだよという内容の本です。国ごとに分かれていて厚みがあります。

 

 

7.ニーチェ ツァラトゥストラかく語りき 河出書房新社 

 

 哲学の古典であまりにも有名なんですが、あ~あの場面は誰がいたんだっけ、どういう文章だったっけ、ともう一度確認したくて読みました。訳はいくらでもあるので、好きなやつを選べばいいんですけれど、「我は汝等に」よりも「私は君等に」のほうが分かりやすいですよね。あ、でもこれは好みの問題ですね。ニーチェが伝えたかった哲学的な部分がどれくらい理解できたかはよくわからないですが、やはり1度は読んでみるといいのかなと思います。

 

 

8.浦部 晶夫ら編 今日の治療薬2021 解説と便覧 南江堂

 

 職場のやつが2014年版のだったので、さすがに変えようと思い購入しました。今はインターネットのPMDAで検索すればすぐに出てきますが、引きやすいし項目が見やすいですよね。このテの本は他にもありますが、大学の勤務医だった時代から今日の治療薬を愛用しています。

 

 

9.マイク・ヴァイキング  ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方 三笠書房

 

 コロナ禍で北欧に行けないので、なんとなく買ってしまいました。世界中ですごく人気が出た本だそうで・・・読み手のことを考えた構成ですごく見やすい本です。ぼくは最近、時間が出来てきたので1日何も予定を決めないfreeな日を週1回設定したり、考えに煮詰まったときや家族の笑顔が足りないなと感じる時に思いきって外食しよう!などと毎日、ヒュッゲリな1日が過ごせるように考えています。世界中を旅していると日本人は働きすぎだなと感じます。みんなが肩の力を抜いて、ビールを片手にのんびりした1日を心がければきっと幸せな日本になるのになと考えてしまいます。乾杯!

 

 

10.鈴木 大拙 「禅と日本文化」  岩波書店

 

 関 大徹の「食えなんだら食うな」を読んで禅に興味を持ち、禅を知るためにまずはちくま文庫の「禅」(この本は鈴木大拙の英文著書を工藤澄子さんが訳したものですが、すごく難しかった)を読んで本書を読みました。鈴木大拙は95歳で没するまで、世界中に禅を広め生涯を禅の研究に捧げた人です。西洋人との違いはどこにあるか、日本人はなぜ禅を求めるのか、わび・さびを求めるのか。そういうことを意図した本ではないんですけれど、本書を読み進めていくと知らず知らずに「とっちらかった心が整っていく」そんな感じがします。

 

 

11.湯浅 邦弘 菜根譚 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 角川学芸文庫

 

 ふと菜根譚が読みたくなって買いました。洪自誠「菜根譚」は処世術について書いてある中国の古典なのですが「あ~これは子供の時に読んだらよいだろうな」と思って、こどもには齋藤孝先生の「逆境に負けない力をつける! こども菜根譚」を買いました(こちらもおすすめ)。人間関係に悩んだらぜひ。

 

 

12.森信三 一日一語 致知出版社

 

 日本の哲学者、森信三先生の言葉が一日一語形式で短く収録されています。2行とか3行とか。ベッドサイドに置いてあったのですが、正直なところ「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」を読んでしまうので、部屋に置いたり、ソファーの前に置いてあったりします。背景や解説もないあっさりとしたものなので、グッとくるものではありませんが森先生のエッセンスが詰まっています。

 

 

13.カールヒルティ 生きる喜びは、仕事とともにある 三笠書房

 

 カールヒルティの幸福論を齋藤先生が抽出してまとめたものです。職場の朝礼で読んでいます。本書はあくまでエッセンス集なので、カールヒルティの幸福論にはこう書いてあるよとか聖書にはこう書いてあるよとか、解説しながら毎日読んでいます。三大幸福論を読んで、やっぱりカールヒルティの幸福論があっているんだなと感じます。結局、岩波文庫の「幸福論」は高校生の時に読んで社会人になって読んで・・・処分して、買って・・・を繰り返しています。

 

 

13冊ご紹介しました(紹介する順番は揃えていません)。
なんか、ぼくの趣味嗜好がバレてしまうようで少し恥ずかしいですが、ぜひどうぞ。

 

 

 

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PHOTO:CPH